展開地域名: 兵庫県
解決すべき課題
■デジタル技術を最大限活用し企業活動の業務プロセスやビジネスモデルの改革等を実現する DX は、企業の存続と成長に必要不可欠だが、DX推進を担う人材の不足等により中小企業においては DX の取組が進んでいない。企業が効率的に DX に取り組むためには、DX を理解し、企業活動に活かす能力を持つ企業内DX人材の育成が重要な課題となっている。
(公益財団法人 新産業創造研究機構(NIRO)「【募集期間終了】【受講企業募集】DX人材育成支援事業「オーダーメイド型」(令和4年度ひょうご次世代産業DX導入・人材育成プロジェクト)」参照。)
解決の手法
■中小企業の DX を推進するため、専門家による企業へのプッシュ型・伴走型支援と併せて、各種の DX人材育成事業に取り組むこととなった。本取り組みは「兵庫県地域活性化雇用創造プロジェクト 」の一環。
(兵庫県「(厚生労働省「令和3年度地域活性化雇用創造プロジェクト」採択事業) 兵庫県地域活性化雇用創造プロジェクト 「ひょうご次世代産業高度化プロジェクト」後継事業 (令和3年度)~次世代産業分野進出企業へのDX導入とものづくり企業の多角化の促進~」参照。)
【兵庫県地域活性化雇用創造プロジェクト (R3~R5)】:
次世代産業分野(AI・IoT、航空・宇宙、ロボット、環境・エネルギー、健康・医療等)を対象にデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進を図る「ひょうご次世代産業DX・人材育成プロジェクト(6 事業)」、新型コロナウイルス感染症の影響により需要の減少など大きな影響を受けている製造業を対象とした「ひょうごものづくり企業多角化促進・人材育成プロジェクト(6 事業)」、この 2 つのプロジェクト、計 12 事業の総称で、令和 3 年度から令和 5 年度まで実施するもの。
本プロジェクトを通じて、本県産業の生産性・競争力の向上や多角化による受注機会の増により新たな雇用機会を確保するとともに、DX推進による業務の見直し等を進めることにより良質な雇用の創出を図ることを目的とする。
(兵庫県「地域活性化雇用創造プロジェクト」、「(厚生労働省「令和3年度地域活性化雇用創造プロジェクト」採択事業) 兵庫県地域活性化雇用創造プロジェクト 「ひょうご次世代産業高度化プロジェクト」後継事業 (令和3年度)~次世代産業分野進出企業へのDX導入とものづくり企業の多角化の促進~」より。)
● その取り組みとして、①「DX導入相談事業」、②「スマートものづくりセンターの設置」、③「DX実践・人材育成支援事業」、④「 中小企業DX人材育成リカレント教育事業」を実施している。:
① DX導入相談事業:
平成 30 年度に(公財)新産業創造研究機構(NIRO)に「IoT・AI・ロボット導入相談窓口」を設置。IoT・AI・ロボットの導入や、これら製品の開発・事業化を目指す企業を対象に、専門のコーディネーターが、「導入」から「開発にかかる費用の補助」までを体系的に支援する。相談は無料。(兵庫県「兵庫県ものづくり企業DX実践・人材育成支援(IoT・AI・ロボットの導入支援)」参照。)
② スマートものづくりセンター:
県内 4 か所(神戸(県立工業技術センター)、阪神((一財)近畿高エネルギー加工技術研究(AMPI))、播磨(姫路商工会議所)、但馬(県立但馬技術大学校))に、施設開放型の「スマートものづくりセンター」を設置。
産学官連携による研究開発への支援や、共同利用機器の活用に係る指導・技術相談を行う研究コーディネーター及び技術コーディネーターを配置、プッシュ型・伴走型支援を実施。次世代成長産業育成に向けた中小企業の技術開発・製品開発を支援。
(兵庫県「スマートものづくりセンター」参照。)
③ DX実践・人材育成支援事業(令和 4 年度の募集は終了。):
登録された研修メニューの中から選択して受講できる「メニュー型研修」と、企業の個別課題に合わせて内容を決定して実施する「オーダーメイド型研修」を実施。
オーダーメイド型では、DX人材の育成教育、DX人材育成につながる企業支援業務等を DX研修とし、兵庫県内の対象事業者が「研修事業者」と協働して企画・提案し、受講の申請を行うもの。審査を経て採択された受講申請については、(公財)新産業創造研究機構(NIRO)が当該研修を実施し、採択された企業が受講をする。本事業において「DX人材育成を支援する研修」を活用した採択企業の取組み等により、兵庫県内における良質な雇用を新たに創出することを目的とする。
(兵庫県「兵庫県ものづくり企業DX実践・人材育成支援(IoT・AI・ロボットの導入支援)」、公益財団法人 新産業創造研究機構(NIRO)「【募集期間終了】【受講企業募集】DX人材育成支援事業「オーダーメイド型」(令和4年度ひょうご次世代産業DX導入・人材育成プロジェクト)」より。)
④ 中小企業DX人材育成に向けたリカレント教育事業:
新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響等により苦境にある中小企業等が、ウィズコロナ・ポストコロナ社会において着実に成長していくためには、DX技術の活用推進が必要。しかし、多くの中小企業等の DX人材不足により、社員教育による育成が喫緊の課題。
本事業は、関西学院大学と日本IBM社が共同開発した 24 時間 365 日いつでもオンデマンドで受講可能な「AI活用人材育成プログラム」を活用。本プログラムの受講料の一部を補助することにより、県内中小企業等の DX人材育成の推進を図るもの。
(兵庫県「中小企業DX人材育成に向けたリカレント教育事業の実施」参照。)
●「DX導入相談事業」、「スマートものづくりセンターの設置」、「DX実践・人材育成支援事業」については、厚生労働省の地域活性化雇用創造プロジェクト事業費補助金を活用している。
●「中小企業DX人材育成リカレント教育事業」については、内閣府の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用している。
● 令和 3 年度事業費 97,175 千円(うち、地域活性化雇用創造プロジェクト事業費補助金(厚生労働省) 72,201 千円、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(内閣府) 6,362 千円)
解決における工夫点
・「DX導入相談事業」:
相談窓口に専門家を配置し、ものづくりの高度化や生産現場の改善にあたり、IoT・AI・ロボットの導入を検討している中小企業からの相談に対し、現場訪問等により実装につなげるようにしている。
・「スマートものづくりセンターの設置」:
デジタル技術導入支援を行う研究コーディネーターの配置、プッシュ型・伴走型支援の実施。
事例による成果
● 令和 3 年度、スマートものづくりセンターでは、IoT・AI・ロボットの実装提案を 99 件行い、うち 11 件が実装に結びついた。
【スマートものづくりセンター R 3 実績詳細】
・技術相談・指導件数: 計 348 (ロボット 105 、IoT 243)
・企業訪問 :計 136 (ロボット 57 、IoT 79)
・実装に係る提案件数 :計 99 (ロボット 67、IoT 32)
・実装に結びついた件数:計 11 (ロボット 4 、IoT 7)
● DX実践・人材育成支援事業では、44 件の研修を行い、265 人が研修を受講した。
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2021年度~継続運用中
参考資料
本事例は、「総務省 地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】令和4年9月2日」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■総務省
・地 域 社 会 の デ ジ タ ル 化 に 係 る参 考 事 例 集【第2.0版】令和4年9月2日
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
■兵庫県
・兵庫県ものづくり企業DX実践・人材育成支援(IoT・AI・ロボットの導入支援)2023年1月6日更新
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr09/ie07_000000018.html
・地域活性化雇用創造プロジェクト 2021年10月22日更新
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/chipro.html
・(厚生労働省「令和3年度地域活性化雇用創造プロジェクト」採択事業) 兵庫県地域活性化雇用創造プロジェクト 「ひょうご次世代産業高度化プロジェクト」後継事業 (令和3年度)~次世代産業分野進出企業へのDX導入とものづくり企業の多角化の促進~
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/documents/r3chipuropanfurett.pdf
・スマートものづくりセンター 2023年1月6日更新
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr09/ie07_000000109.html
・中小企業DX人材育成に向けたリカレント教育事業の実施 2022年6月20日更新
https://web.pref.hyogo.lg.jp/press/20220620_10435.html
ー記者発表
https://web.pref.hyogo.lg.jp/press/documents/20220620_10435_1.pdf
■公益財団法人 新産業創造研究機構(NIRO)
・【募集期間終了】【受講企業募集】DX人材育成支援事業「オーダーメイド型」(令和4年度ひょうご次世代産業DX導入・人材育成プロジェクト)
https://www.niro.or.jp/information/20220711/34408/
・公益財団法人 新産業創造研究機構 スマートものづくりセンター
https://www.niro.or.jp/assist/hyogo/
・IoT・AI・ロボット導入相談窓口
https://www.niro.or.jp/assist/iot-ai-robot-katsuyo/soudan/
■厚生労働省
・地域活性化雇用創造プロジェクト
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139406.html
・地域活性化雇用創造プロジェクト実施地域一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147850.html
ー地域活性化雇用創造プロジェクト【兵庫県】
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000761884.pdf
関連する図表・動画
●兵庫県
・兵庫県ものづくり企業DX実践・人材育成支援(IoT・AI・ロボットの導入支援)
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr09/ie07_000000018.html
事例に関する問い合わせ先
兵庫県産業労働部 地域産業立地課
Tel: 078-362-3373
E-mail: chiikisangyorichi@pref.hyogo.lg.jp
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