展開地域名: 群馬県前橋市
解決すべき課題
■高齢化が進展する中、車社会である本市において、移動手段の維持・充実は喫緊の課題であり、交通事業者とともに利便性向上に向けた取組みを進めている。一方で、交通事業者におけるドライバー不足は深刻な課題であり、今後、バスの減便等に繋がることが懸念される。
(前橋市「資料1 自動運転バス実証実験を実施します」より 。)
解決の手法
■社会実装に繋げるため、中央前橋駅前ロータリー及び試験路をローカル5Gエリア化し、自動運転バスの「複数台運用」及び「遠隔監視・操作・操縦」の実証を実施。自動運転技術をバスに導入することで、ドライバー不足を補い、市民の移動手段の充実に繋げることを目的とする。
● 前橋市と群馬大学及び日本中央バスは、過去 2 か年の実証実験で生じた課題の解消を図るため、GPS でなく、新たに 5G通信技術の活用並びに道路上にセンサーとカメラを設置した環境で、リモートによる自動運転バス公道実証実験を行った。あわせて、NTTデータの協力による、顔認証での乗客管理(顔認証での決済)及び手ぶら乗降での技術検証を行った。
● 車内全体を写すカメラを設置し、乗客の年代や性別、乗降数などを計測(計測するのは全国初の試み)(東京新聞 2021年2月16日 「前橋市、自動運転バスの実証実験 顔認証やローカル5G活用」より)。
● 技術実証として、水面の影響や、伝搬経路中における遮蔽物の割合に応じた電波伝搬損失を考慮した電波伝搬モデルの精緻化を実施。
→周波数:4.8-4.9GHz帯(100MHz) 構成:SA方式 利用環境:屋外
・実証期間:令和 3 年 2 月 15 日(月曜日)から 2 月 28 日(日曜日)、水曜日と木曜日を除く 10 日間。
・運行区間:中央前橋駅と前橋駅の間の区間のみ。
・自動運転レベル:レベル 2、運転席に運転者が搭乗したかたちでの運用。
(前橋市「定例記者会見概要版(令和3年1月27日開催)」と資料1参照)
・乗車対象者:日本中央バス株式会社の営業路線であるシャトルバスとして運行するため、誰でも乗車可能。顔認証の体験については、要事前登録:
【自動運転レベル】:
レベル0:運転者が全てを操作
レベル1:システムがハンドルを操作 加減速のどちらかを操作
レベル2:システムがハンドルを操作 加減速のどちらも操作
※レベル1,2は運転支援、それ以降は自動運転
レベル3:特定の場所でシステムが全てを操作 緊急時は運転手が操作
レベル4:特定の場所でシステムが全てを操作
レベル5:場所の特定なくシステムが全てを操作
(政府広報オンライン「ついに日本で走り出す! 自動運転“レベル3”の車が走行可能に」より)
ー顔認証事前登録にはマイナンバーカードを活用。顔認証登録利用者は乗降時の顔認証により無料で何度でもバスを利用できる(日本経済新聞 2021年2月25日 「自動運転バスへ「顔パス」乗車、前橋市で実験進む」より)。仕組みとしては顔認証パスは決裁まで可能な仕組みではあるが、本実証実験ではインセンティブとして無料としている(前橋市「定例記者会見概要版(令和3年1月27日開催)」より)。
● 総務省の令和 3 年度「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」事業を活用。
解決における工夫点
● AI処理装置等機材の効率的な配置:
・AI処理装置等の路側設置機器を効率的な配置に改善し、機材の導入障壁や、運用保守負荷の軽減に寄与。
(総務省「「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」実証事業企画概要」より)
事例による成果
■持続可能なまちづくりを推進するため、多様な交通手段を選択可能な公共交通ネットワークの再構築を実現(総務省「「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」実証事業企画概要」より)。
● 車両の遠隔管制室間のカメラ映像情報伝送について(走行状況を把握するための車内外情報):
ーローカル5Gによりセンサ情報と高品質カメラ映像の伝送が可能となり、運行に必要な情報の質の改善に寄与。
ーAI等により「必要な時に必要な情報を必要な分だけ」伝送が可能となり、遠隔監視者の監視効率改善により、安全性向上に寄与。
● 路側の遠隔管制室間のカメラ映像情報伝送について(特に自動運転車両の死角):
ーローカル5Gによりセンサ情報と高品質カメラ映像の伝送が可能となり死角の軽減に寄与。
本実証成果の実装に向けては、通信設計の更なる最適化、自動運転技術の向上、法制度等課題への対応が必要。令和 4 年度以降、ローカル5G装置の仕様等について継続検討しながら、一部路線におけるレベル 3 自動運転の運行の実施等段階的な実装を目指す。
事例の継続性
例年一定の期間に行われている実証事業。令和 4 年は 2 月 21 日から 27 日まで実証実験が行われている。
事例の運用期間
令和 3(2021)年 2 月 15 日 ~ 2 月 28 日
参考資料
本事例は、「総務省 地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】令和4年9月2日」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■総務省
・地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】令和4年9月2日
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
■政府広報オンライン
・ついに日本で走り出す! 自動運転“レベル3”の車が走行可能に 令和3年(2021年)5月7日
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202004/1.html
■総務省「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」等に係る令和4年度事業の提案の公募の結果(開発実証事業)
ー参考資料(2)令和3年度「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の成果(報告書等)
https://go5g.go.jp/carrier/
ーモビリティ・インフラ 「令和2年度ローカル5G開発実証 モビリティ・インフラ」
https://go5g.go.jp/carrier/%e3%83%a2%e3%83%93%e3%83%aa%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%bb%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%95%e3%83%a9/
ー「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」実証事業企画概要
2021/10/11 株式会社三菱総合研究所「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」事務局
https://go5g.go.jp/sitemanager/wp-content/uploads/2021/10/%E4%BB%A4%E5%92%8C3%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB%EF%BC%95G%E9%96%8B%E7%99%BA%E5%AE%9F%E8%A8%BC%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E4%BC%81%E7%94%BB%E6%A6%82%E8%A6%81.pdf
ー「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」
https://go5g.go.jp/sitemanager/wp-content/uploads/2022/05/%E4%BB%A4%E5%92%8C%EF%BC%93%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AB%EF%BC%95G%E9%96%8B%E7%99%BA%E5%AE%9F%E8%A8%BC_%E6%88%90%E6%9E%9C%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8_No.17_%E5%85%A8%E4%BD%93%E7%89%88.pdf
■前橋市
・定例記者会見概要版(令和3年1月27日開催)
https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/somu/hishokohoka/gyomu/16/4/27137.html
ー資料1 自動運転バス実証実験を実施します
https://www.city.maebashi.gunma.jp/material/files/group/10/teirei20210127_1.pdf
・総務省「令和3年度課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に採択されました
https://www.city.maebashi.gunma.jp/material/files/group/2/hodo20210831_4.pdf
・資料1-3自動運転バスの実証実験結果について(都心幹線関連資料)
https://www.city.maebashi.gunma.jp/material/files/group/9/1-3zidouunntenn.pdf
■一般社団法人 ICT まちづくり共通プラットフォーム推進機構[TOPIC]
https://topic.or.jp/
・群馬県前橋市でローカル 5G を活用した複数台遠隔監視による自動運転バスの公道実証を実施~総務省ローカル 5G 開発実証事業の一環として実施、2022 年度の社会実装を目指す~
https://topic.or.jp/auto20220214.pdf
■NEC News Room
・群馬県前橋市で5G技術を活用した自動運転バスの公道実証を実施~総務省ローカル5G開発実証事業の委託を受け、自動運転バスの社会実装を目指す~ 2021年1月8日
・群馬県前橋市でローカル5Gを活用した複数台遠隔監視による自動運転バスの公道実証を実施~総務省ローカル5G開発実証事業の一環として実施、2022年度の社会実装を目指す~ 2022年2月14日
■日本経済新聞
・自動運転バスへ「顔パス」乗車、前橋市で実験進む 2021年2月25日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB05DRF0V00C21A2000000/
■東京新聞
・前橋市、自動運転バスの実証実験 顔認証やローカル5G活用 2021年2月16日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/86222
事例に関する問い合わせ先
■前橋市未来創造部 交通政策課
:(一社)ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構 交通サービス担当
・前橋市未来創造部 交通政策課
Tel:(代表) 027-898-6263
お問い合わせフォーム:https://www.city.maebashi.gunma.jp/cgi-bin/inquiry.php/8?page_no=111
・一般社団法人 ICT まちづくり共通プラットフォーム推進機構
Tel: (027)253-6650
E-Mail: info@topic.or.jp
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