北海道標津町「レポサク - 農業 DX / 車両と圃場の管理システム」

展開地域名: 北海道標津町

分野:
農林水産業支援
キーワード:
自動化
業務効率化
ワークフロー
IoT

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解決すべき課題

■人口減少や離農により農地の集約化・規模拡大は進んでいる為、個人ではなく集団で営農する事が増え、今後さらなる増加が見込まれる。集団で農作業をするのに、一番重要な事は「情報共有」。殆どの場所で、無線によるアナログ的な情報共有を行っている。

● 20 台の車両が同時に動いている場合、現場担当者は状況把握および指示伝達するのに片方に電話を持って、もう片方は無線で指示を出す。これを常に行う事で、情報共有を行う。さらに現場が見えない為、何かあるたびに運転して現地を確認する必要がある。農作業は、事故・故障・天気などあり、常に現場は慌ただしく変化するので、無線だけで現場を想像し、情報把握するのはとても大変な事。

解決の手法

■「手書き日報をどうにか無くせないか。」という相談を受けてシステム開発に着工し始めた。手書き日報をスマホで置き換えただけでは、手書き日報の負担は変わらない。可能な限り自動化かつ簡単でできるようにするにはどうしたら良いか検討し、車両の行動履歴を自動収集する事が重要であるため、車両と圃場の管理システム「レポサク」を開発する事となった。

● レポサクは、専用の GPS 端末を車両に設置するだけで、データを自動的にサーバーに送信し、リアルタイムに作業の進捗状況を共有できる。運転者は端末を操作する必要はない為、高齢者や外部委託者の人でも簡単にシステムを導入できる。

● リアルタイムに進捗状況がわかるので、状況把握の為の無線連絡が無くなり、作業に集中できる。また、今までは特定の人しか把握できなかった進捗状況を全員が常に把握する事が可能となり、皆で作業計画を考える事ができるようになる。

● データ化された情報は自動的に蓄積される為、生産履歴としても活用できる。行動を元に日報データも作られる為、手書き日報ではできなかった作業動線の確認や検証が可能となるなど、具体的な情報を元に改善行動をする事ができるので、将来的には生産性の向上に繋がる。

解決における工夫点

● 農業のデジタル化で、一番難しいのは現場の協力を得て、全てのデータを取得すること。一部のデータが欠けると、全体の流れがわからなくなるため作業者全員の協力は必要不可欠。パソコンやスマホはよくわからない、新しい事は面倒でしたくない、途中から手伝いにくる人など、様々な人により農作業が行われる。このような状況で、「誰でも、かんたんに」という点が最重要課題。少しでも面倒・難しい、と感じられると現場の人の協力は得られにくい。

・レポサクは、データ取得後の処理や表現が、現場で使える事はもちろん考えているが、「現場の人が無理せず簡単に使い続けられる」という点を重点に開発を行い、現場に受け入れられるという点について一番工夫した。

事例による成果

● 2019 年スマート農業実証プロジェクト「TMR センター利用型良質自給飼料生産利用による高泌乳牛のスマート牛群管理体系の実証」にて、レポサクが導入され、作業効率 10 %アップ、サイレージの廃棄量 5 %ダウンという結果を残した。

【TMRセンター】:混合飼料を作って酪農家へ配送する「給食センター」的役割

(農研機構 「スマート農業実証プロジェクト 令和元年度スタート課題の概要」参照。)

・2022 年 4 月現在、全国に 38 社導入中。北海道の TMR センター20 社、コントラクター10 社、その地方に 8 社レポサクが導入され現場で活用されている。

・2022 年 4 月現在、約 5 万ヘクタールの圃場がレポサクに登録されている。


● レポサク受賞歴:

・2022年10月17日 民間部門農林水産研究開発功績者表彰『農林水産技術会議会長賞』受賞

・2022年11月28日 Open Network Lab HOKKAIDO 5th Batch DemoDay『Special Award』受賞


【今後の展望】

近未来の農業は無人で車両が動くのが当たり前になる。車両がいくら自動で動いても、全体の行動を良い塩梅で指示するブレーンの存在が必要不可欠。自動運転の時代に必要となるブレーンを開発できるよう、現地の人に役立つシステムを構築しつつ、現場の生データを収集し、次の時代に活躍できるシステムとなるよう改善を重ね、持続可能な農業の実現に寄与していく。

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2019 年~継続運用中

参考資料

本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 北海道の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN

●2022年度 夏のDigi田甲子園

・北海道の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/hokkaido.html

・推薦調書
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/pdf/01-3.pdf

●デジ田メニューブック

・レポサク - 農業DX / 車両と圃場の管理システム
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/menubook/2022_summer/0002.html

●2022年度 冬のDigi田甲子園

・冬のDigi田甲子園 結果発表
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/kekka/2022_winter/index.html

・冬のDigi田甲子園インターネット投票対象事例 レポサク- 誰でもできる農業DX / 車両と圃場の管理システム エゾウィン株式会社
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/0006.html

■政府インターネットテレビ
・北海道標津町|レポサク - 農業DX / 車両と圃場の管理システム|夏のDigi田甲子園
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24726.html

■北海道

・「冬のDigi田甲子園」について
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/csr/115910.html

・知事定例記者会見(令和4年9月13日)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/pressconference/r4/127779.html

■標津町
https://www.shibetsutown.jp/

■Reposaku
https://reposaku.info/

■エゾウィン株式会社
https://ezowin.com/

■面白法人カヤック

・誰でも出来る農業DX「レポサク」を開発・提供する エゾウィン株式会社と資本業務提携 2023.01.12 
https://www.kayac.com/news/2023/01/ezowin

■農研機構

・TMRセンター利用型良質自給飼料生産利用による高泌乳牛のスマート牛群管理体系の実証 TMRセンターアクシス・漆原牧場(北海道中標津町)
https://www.naro.go.jp/smart-nogyo/r1/files/chikusan_A01.pdf

・スマート農業実証プロジェクト 令和元年度スタート課題の概要
https://www.naro.go.jp/smart-nogyo/subject/chikusan/131229.html

■農林水産技術会議
https://www.affrc.maff.go.jp/

・TMRセンターアクシス&漆原牧場(北海道中標津町)
https://www.affrc.maff.go.jp/R2forum2020/animal/project05.html
(2023/8/31 現在非表示)

・令和4年度(第23回)「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」受賞者の決定及び表彰式の開催について
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/press/221014_11.html

・令和4年度(第 23 回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰 受賞者一覧
https://www.affrc.maff.go.jp/docs/press/attach/pdf/221014_11-4.pdf

■BtoBプラットフォーム 業界チャネル

・「夏のDigi田甲子園」について総合政策部地域戦略課 北海道 2022/06/14 
https://b2b-ch.infomart.co.jp/news/detail.page?IMNEWS1=3340041

■PR TIMES

・北海道標津町「エゾウィン株式会社」が「面白法人カヤック」と資本業務提携を締結 エゾウィン株式会社 2023年1月12日 
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000111139.html 

・誰でもできる農業DX「レポサク」が、Open Network Lab HOKKAIDO 5th Batch Demo Dayで『Special Award』を受賞 エゾウィン株式会社 2022年12月1日 
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000111139.html

■日本農業新聞

・誰でもできる農業DX「レポサク」が、令和4年度の農林水産技術会議会長賞を受賞 エゾウィン株式会社 2022年10月31日 掲載 
https://www.agrinews.co.jp/news/prtimes/113835

関連する図表・動画

●デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・【北海道標津町】レポサク-農業DX/車両と圃場の管理システム
https://www.youtube.com/watch?v=Ouju6CucMlQ

事例に関する問い合わせ先

企画政策課
Tel: 0153-85-7240
E-mail: kikaku@town.shibetsu.lg.jp

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