展開地域名: 山口県山口市
解決すべき課題
■山口市では、市民の生活向上のため、スマートフォンなどで行政手続き、暮らしに役立つ情報の受け取りなど様々な取組を進めている。同時に、デジタル化の取組の効果は使っていただいて初めて効果を発揮することから、地域におけるデジタルデバイド(情報格差)を解消し、広く市民が自治体の SNS 等を有効活用できるようサポートする必要があると考えている。
● 一般的なスマホ講座では、「利用意欲の低い層」「スマホを持っていない方」へのアプローチが少ないことや、スマホの「使い方や機能を教える」だけになる傾向にある。
解決の手法
■山口市、LINE株式会社、東洋英和女学院大学にて、高齢者等の地域住民向けのデジタル活用支援教材である「地域で考えるスマートフォン・SNS 講座」を共同開発した。教材は、山口市 Web サイトにて市民が無償で利用できるよう公開することにより、地域で自走的に取り組めるよう支援。また、市の取組として、市内地域交流センターおよび分館での講座実施を検討中。
● 本教材は「基本編」と「活用編」で構成されている。
・「基本編」では実生活と関連させながら便利にスマートフォンを活用できる場面を受講者自身で考えながら学ぶことができる内容となっている。
・「活用編」では休日当番医の検索や防災情報の受信などの目的に沿ったスマートフォンの操作方法を体験的に学ぶことができる内容としている。
スマートフォンを使ってみたいという「動機付け」、どう便利に使えるのかという「便利さの体験」を経て、意欲的にデジタル活用に取り組んでもらうことを目的とする。本教材は無償でダウンロードでき、地域での教え合いなど様々な場面で活用が可能。
(山口市「「山口市×LINE 共同開発」地域で考えるスマートフォン・SNSの活用講座教材」参照。)
・講座の主なプログラム内容:
・基本編: スマホはどんなときに使える?活用場面診断ワークショップ:
① “こんなことができたらいいな”を考えよう
② 「スマートフォン」って、何ができるの?
③ 私の生活に「スマートフォン」は必要?
・活用編:SNSを活用した暮らしの便利と防災を考えよう!
① スマホ・SNSの活用度チェック
② スマホを使った情報検索
③ 地域とつながるSNS活用
④ 災害時のSNS活用
(LINE「2022.04.15 デジタルデバイド解消に向けた「地域で考えるスマートフォン・SNS活用講座」を山口市と共同で開発」より)
解決における工夫点
● 本取組の特徴的な点として、以下の 2 点が挙げられる。
・「持ち帰り資料」を作成し、継続的な学びを促す。スマホの活用は、1 度の受講で習熟できるものではなく、継続的な学びが必要である。講座受講後に、持ち帰り資料を使い、自宅で繰り返し復習をしてもらうことで、習熟度を高めることができる。
・実施者用ガイドブックを作成することで、市民のどなたでも講師になれる。実施者用ガイドブックでは、講座を実施する際の進行やポイントを記載している。市民の方が講師になって頂くことで、地域の中での教え合いを促進する。
事例による成果
■令和 4 年 4 月 15 日(金) に山口市阿東地域交流センターで実施した「スマートフォン・SNS 活用講座」の参加者 23 名のうち、回答不備のあった 3 名を除いた 20 名の集計結果を分析。
● 基本編については、「わかりやすい内容だと思いましたか」、「役に立つ内容と思いましたか」、「初めて知る内容が含まれていましたか」、「満足する内容でしたか」の 4 項目の全てにおいて、参加者の 60 %以上からが肯定的な回答を得られた。
● 活用編については、「わかりやすい内容だと思いましたか」、「役に立つ内容と思いましたか」、「初めて知る内容が含まれていましたか」、「満足する内容でしたか」の 4 項目の全てにおいて、参加者の 80 %以上からが肯定的な回答を得られた。
● 講座参加による参加者の意識の変容を調査するため、① 講座実施前、② 基本編講座後、③ 活用編講座後の計 3 回の回答結果を集計したところ「スマートフォンや SNS は自治体の情報を得るために役立つと思いますか」についても、② 基本編講座後から ③ 活用編講座後にかけて「とてもそう思う」「少しそう思う」の回答割合が増加していた。
【今後の展望】
・令和 4 年度中に本格運用を予定。
・各地域交流センター職員や民間企業と連携し、講座実施回数を増やす予定。
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2022 年 4 月~継続運用中
参考資料
本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 山口県の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN
●2022年度 夏のDigi田甲子園
・山口県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/yamaguchi.html
・推薦調書
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/pdf/35-1.pdf
●デジ田メニューブック
・SNS事業者・大学と連携したデジタル活用支援教材の共同開発
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/menubook/2022_summer/0116.html
■政府インターネットテレビ
・山口県山口市|SNS事業者・大学と連携したデジタル活用支援教材の共同開発|夏のDigi田甲子園
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24883.html?nt=1
■山口市
・「山口市×LINE 共同開発」地域で考えるスマートフォン・SNSの活用講座教材 2022年4月15日更新→更新日:2023年3月31日更新
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/soshiki/8/115841.html
ースマートフォン・SNSの活用講座基本編
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/73002.pdf
ーワークシート
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/73003.pdf
ー持ち帰り資料
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/73004.pdf
ースマートフォン・SNSの活用講座活用編
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/73005.pdf
ーワークシート
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/73006.pdf
ー持ち帰り資料
https://www.city.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/73007.pdf
■東洋英和女学院大学
・酒井郷平講師、LINE株式会社×山口市の講座開発に協力。スマホ活用で地域の情報格差を解消へ 2022年04月20日
https://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/news/20220420-14440.html
■LINE
・デジタルデバイド解消に向けた「地域で考えるスマートフォン・SNS活用講座」を山口市と共同で開発 2022.04.15
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2022/4202
■ICT教育ニュース
・LINE×山口市、「地域で考えるスマホ・SNS活用講座」を共同開発・無償公開 2022年4月18日
https://ict-enews.net/2022/04/18line-3/
■ケータイWATCH
・LINEと山口市、情報格差解消を目指し「スマホ・SNS講座」を共同開発 山口市「行政のデジタル化と並行して情報格差解消に努める」 2022年4月16日
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1403368.html
関連する図表・動画
●デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
・【山口県山口市】SNS事業者・大学と連携したデジタル活用支援教材の共同開発
https://www.youtube.com/watch?v=jGI4JJaNnrE
事例に関する問い合わせ先
総務部デジタル推進課
お問い合わせフォーム:https://www.city.yamaguchi.lg.jp/form/detail.php?sec_sec1=8&check
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