地方公共団体等のDX事例

展開地域名: 東京都墨田区

分野:

健康

デジタルデバイド解消

地域通貨

キーワード:

自動化

人材育成

コミュニケーションツール

IoT

スマホアプリ活用

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解決すべき課題

■ 墨田区では、高齢者がデジタル機器を扱えない問題「デジタルデバイド」解消のため、スマホ教室を実施していたが、スマホ教室のみでは高齢者がスマホ操作を習得できないという課題があった。

区の、令和 3 年度に実証実験を実施から得た高齢者のスマートフォンの使用の実態調査により、高齢者がスマートフォンを使いこなせない最大の理由は日常でスマートフォンを利用する機会がないことであると判明した。
（墨田区「区内の老人クラブで大学や民間企業と連携したスマートフォン講習会を開催」参照。）

解決の手法

■区では、高齢者がスマートフォンなどの操作スキルが無いことによってデジタル社会に取り残されることがないよう、「高齢者デジタルデバイド解消事業」を今年度から実施している。その取り組みとして、区内の老人クラブにおいて、iU 情報経営イノベーション専門職大学（以下、iU という）と連携し、スマートフォン講習会を開催した。

スマートフォンを利用する「目的」・「相手」がいなければ、意欲があっても習得は難しく、不要なものと感じてしまうことから、「スマートフォン講習会」と「スマートフォンを利用する目的・相手」を併せて提供することで高齢者はスマートフォンを習得することが出来るようになることを期待するもの。

●「目的」に関しては、エーテンラボ㈱が提供する、仲間と取り組む習慣化アプリ「みんチャレ」を利用する。本アプリは 5 人一組でグループを作成し、グループ内で目標を定め、目標を達成した際には写真を送るなどすることで、継続してスマートフォンを操作する。

●「相手」に対しては、都内最大の組織率を誇り、会員数が 1 万人を超える墨田区の強みである「老人クラブ」を活用することで、オンラインコミュニティの創設がスムーズであり、顔見知りのため受講後も互いに教えあうことが出来る。さらに、ゆくゆくはスマートフォン講習会を老人クラブ内で自走化することも可能になる。

● 本事業の運営にあたっては、上記エーテンラボ㈱と iU の学生に補助員に入ってもらう。区内の高齢者と iU の学生がスマートフォン講習会を通じて交流することで、多世代交流のみならず、学生もこれまで学んできた知識を活用することが出来る。

(墨田区「区内の老人クラブで大学や民間企業と連携したスマートフォン講習会を開催」より。)

● 講習会での「みんチャレ」活用方法：

・みんチャレを使って毎日歩くことにチャレンジする：
　
　・グループを作り、その中で歩く目標歩数を設定する。
　　　　　↓
　・気に入った風景の写真やその日歩いた歩数、思い思いのコメントを送り合う。
　　　　　↓
　・メンバーが投稿した画像には、猫の肉球マークが表示される。受信者がそのマークをタップすると、送信者にコインを送ることができる。
　　　　　↓
　・獲得し、貯まったコインは区内の子ども食堂にお茶を寄付するプロジェクトに使うことができる。

・老人クラブの仲間たちと毎日コミュニケーションをとることを通じスマホ操作が上達し、獲得したコインを通じて地域の支え合いを生み、目標を達成することの励みになる。

（墨田区公式チャネル　動画「#68　高齢者ICT講習会～スマホを使いこなそう～【特集】」参照。）

事例による成果

■高齢者 50 名がオンラインチームに参加。うち 80 % 以上が 90 日以上アプリを継続できている。

● 先行実施の結果：

・アプリ利用開始 2 週間後には、全員が「文字入力」と「カメラ」を十分習得した。

・講座外にて仲間同士の教えあいが起こり、共助の力でスマホスキルを向上できた。

・みんチャレを活用することで、高齢者同士のつながり形成やフレイル予防のみならず、仲間とのつながりが精神的な支えになった。

● 体験者の感想:

・スマホを毎日触るようになった。

・継続することで操作を覚えることもできるが、何より老人クラブの仲間から日常でやり取りをする友人同士になれたことが一番嬉しい。

・目標をウォーキングとしたので、アプリを始めてから歩こうと気にかけるようになった。スマホの操作やフレイル予防など身体的な効果もあるが、日常で交流が増えて精神的にも落ち着いた。

(エーテンラボ株式会社「習慣化アプリ「みんチャレ」を墨田区の高齢者向けデジタルデバイド解消事業に提供開始　老人クラブにアプリの使い方講座を実施し、スマホの日常使いを楽しく支援」より。)

● 本取り組みは、2022 年度冬のDigi田甲子園でインターネット投票結果 7 位、審査委員評価結果 9 位に選出された。

● 他、みんチャレを活用した自治体の取り組みで、厚生労働省「第 10 回健康寿命をのばそう！アワード」にて厚生労働省老健局長優良賞＜自治体部門＞府中市「習慣化アプリ『みんチャレ』を活用したフレイル予防事業」を受賞（ 2021 年 11 月 26 日）
※墨田区でデジタルデバイド対策の取組を開始したのは 2022 年度だが、その前段となる目的の異なる（フレイル予防）取り組みとして府中市では 2021 年度から実施中

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2022 年度～継続運用中

参考資料

本事例は、「2022年度冬のDigi田甲子園　墨田区老人クラブでみんチャレ！高齢者のデジタルデバイド対策」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN

●2022年度冬のDigi田甲子園

・墨田区老人クラブでみんチャレ！高齢者のデジタルデバイド対策
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/0008.html

・冬のDigi田甲子園結果発表
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/index.html

■政府インターネットテレビ

・【エーテンラボ株式会社】墨田区老人クラブでみんチャレ！高齢者のデジタルデバイド対策
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg25982.html?nt=1

■墨田区

・お祝い、生きがい、社会参加　ページID　323866516
https://www.city.sumida.lg.jp/kenko_fukushi/koureisya_kaigohoken/oiwai_ikigai_syakaisanka/index.html

・区内の老人クラブで大学や民間企業と連携したスマートフォン講習会を開催　2022年8月31日更新　ページID：264166337
https://www.city.sumida.lg.jp/wadai/040831.html

・墨田区での高齢者デジタルデバイド解消事業の取組が「冬のDigi田（デジデン）甲子園」のインターネット投票にノミネートされました！　2023年2月2日更新　ページID：412676349
https://www.city.sumida.lg.jp/kenko_fukushi/koureisya_kaigohoken/oiwai_ikigai_syakaisanka/koureideziden.html

・楽しみながらスマートフォンを体験してみましょう　2023年2月21日更新　ページID：412676349
https://www.city.sumida.lg.jp/kenko_fukushi/koureisya_kaigohoken/oiwai_ikigai_syakaisanka/kourei-sumaho0611.html

・#68　高齢者ICT講習会～スマホを使いこなそう～【特集】
https://www.youtube.com/watch?v=61b3CDmjBOg

■エーテンラボ株式会社

・習慣化アプリ「みんチャレ」を墨田区の高齢者向けデジタルデバイド解消事業に提供開始　老人クラブにアプリの使い方講座を実施し、スマホの日常使いを楽しく支援　2022年08月31日　
https://a10lab.com/news-20220831/

・OA情報 | テレビ朝日「ANN ニュース」　2022年09月24日　
本日放送の表題番組にて、墨田区と取り組むデジタルデバイド解消事業が紹介されました。
https://a10lab.com/media-20220924/

・みんチャレブログ
https://minchalle.com/blog/minchalle-beginner

■ANN News

・デジタルディバイド解消目指す　「高齢者も続けられる」スマホ講習(2022年9月24日)
https://www.youtube.com/watch?v=1N3QzD0zqao&t=1s

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エーテンラボ株式会社「墨田区老人クラブでみんチャレ！高齢者のデジタルデバイド対策」