宇和海水温情報運営管理協議会「漁業者の夢を叶えた宇和海海況情報サービス『You see U-Sea』」

展開地域名: 愛媛県

分野:
農林水産業支援
食関連
キーワード:
業務効率化
ワークフロー
ホームページ
IoT
オープンデータ

←戻る

解決すべき課題

■ 養殖漁業者が抱える課題:

❶ ⿂数・活性に応じた適切な給餌ができていない
❷ 不正確な尾数が収⼊源につながる
❸ ⿂病に罹患した⿂の早期対策ができていない

⇒ 収益減,斃死⿂の処理費の発⽣は,養殖業者個⼈への損害となり,漁業を地域の主要産業とする宇和海地域での多⼤な負のインパクトになっている (数億円〜数⼗億円/年)。

(サイエンティフィックシステム研究会「宇和海海況情報サービス You See U-Sea 養殖を⽀えるICT ⼩林 真也 愛媛⼤学 ⼤学院理⼯学研究科 兼 南予⽔産研究センター」より。)

●海水温は養殖魚にとって最も影響の大きい環境条件であり、養殖業者は水温の推移を見ながら給餌量を調節している。宇和海の水温は黒潮系暖水の流入により水温が急変することから、養殖業者にとって水温は最も重要な情報。

・多地点の多深度海水温が分かると:

  ・赤潮や魚病の危険性の増減が予想できる
  ・海水の水を入れ替える急潮・底入潮の発生や動きが見える
  ・魚の活性を予想し、給餌量が決定できる。
  ・魚群の存在域を予想し、効率的な捕獲や燃料消費、CO2排出の低減ができる。

(愛媛県「宇和海海況情報サービス You see U-sea 愛媛県 農林水産研究所 水産研究センター」より。)

解決の手法

■ 愛媛県・愛媛大学・県漁連では環境情報(水温・溶存酸素・クロロフィル)をリアルタイムで収集するため、宇和海の南北にセンサーネットワークを配置し、情報発信するシステム「You see U-Sea」を構築した。(愛媛県「宇和海海況情報サービス You see U-sea 愛媛県 農林水産研究所 水産研究センター」より。)

● 観測装置を広範囲に展開し、収集されたデータを、海水温の時間変化や分布、潮の流れが分かり易いグラフやアニメーションで表示している。

● 「You see U-Sea」は、宇和海における海水温観測の取り組みを踏まえ、2013~2017年度に愛媛県、愛媛大学が取り組んだ次の各種事業によって構築された:

・ 宇和海海況情報サービス『You see U-Sea』構築に係る事業
(1) 2013 - 2014年度 水産庁 赤潮・貧酸素水塊漁業被害防止対策事業(愛媛県)
(2) 2016 - 2017年度 総務省 戦略的情報通信開発事業(SCOPE)(愛媛県)
(3) 2017年度 経済産業省 電源立地交付金(愛媛県)
(4) 2017年度 総務省 IoTサービス創出支援事業(愛媛大学 理工学研究科・沿岸環境科学研究センター・南予水産研究センター、愛媛県農林水産研究所 水産研究センター)

 2019年12月からは「宇和海水温情報運営管理協議会」(※)により管理・運営されている。

※「宇和海水温情報運営管理協議会」構成員:
愛媛県漁業協同組合、宇和海漁業協同組合協議会、 愛媛県魚類養殖協議会、愛媛県真珠養殖漁業協同組合協議会、愛媛県真珠貝養殖漁業協同組合協議会、伊方町、八幡浜市、西予市、宇和島市、愛南町、愛媛大学、愛媛県。

(「宇和海海況情報サービス You see U-Sea」より。 )

解決における工夫点

・情報通信技術を生かしたアジャイル型開発によって、短期間で本体価格、ランニングコストとともに、五分の一以下の価格の観測装置を実現した。

事例による成果

■「You see U-Sea」利⽤実績:

● 有効アクセス数は約600件/⽇
(有効アクセス数:1時間毎に更新される情報に対して、クロールを除いたユーニークIPアドレス数をカウント)

● ⾚潮発⽣期には約1,000件/⽇ ⇒ 多くの養殖業者が閲覧
(宇和海の養殖漁業者数は881(H28年,愛媛県⽔産局「愛媛農林⽔産統計年報」)、家族個々で個別事業者としているケースもあり.)

● 毎⽇定時にアクセスする複数の利⽤者が存在 ⇒ 漁業者の営みに溶け込んでいる

●障害発⽣時には、早期の復旧を求める要望がすぐに来るほど⽔産業にとって必要不可⽋なものとなった。

■受賞歴:

● デジタル庁 good digital award 2022 農業/水産/林業/食関連部門 最優秀賞(2022年10月)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2018年~継続運用中

参考資料

本事例は、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■Digi田甲子園(冬)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/index.html

・漁業者の夢を叶えた宇和海海況情報サービス『You see U-Sea』
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien_winter/0004.html

■政府インターネットテレビ

・【宇和海水温情報運営管理協議会】漁業者の夢を叶えた宇和海海況情報サービス『You see U-Sea』
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg25977.html?nt=1

■愛媛県

・宇和海海況情報サービス You see U-sea 愛媛県 農林水産研究所 水産研究センター
https://www.pref.ehime.jp/h35115/documents/you_see_u_sea.pdf

・宇和海沿岸に設置した水温等のセンサーネットワークについて 環境資源室 室長 武智 昭彦
https://www.pref.ehime.jp/h35115/tayori/documents/tayori10-02.pdf

■宇和海海況情報サービス You see U-Sea 
https://akashio.jp/

・一般公開用ページ You see U-Sea  -宇和海 海水温情報-
http://akashio.jp/kaisuion/

■サイエンティフィックシステム研究会
https://www.ssken.gr.jp/MAINSITE/index.html

・宇和海海況情報サービス You See U-Sea 養殖を⽀えるICT ⼩林 真也 愛媛⼤学 ⼤学院理⼯学研究科 兼 南予⽔産研究センター
https://www.ssken.gr.jp/MAINSITE/event/2022/20230119-joint/lecture-02/SSKEN_joint2022_KobayashiShinya_presentation.pdf

■愛媛大学

・最先端研究紹介 infinity 情報通信技術と情報処理技術を活かして社会に変革をもたらす
https://www.ehime-u.ac.jp/data_study/data_study-102306/

・2020.07.08 「令和2年度 IoTの安心・安全かつ利用環境の構築(IoT利用環境の適正な運用及び整備等に資するガイドライン等策定)」事業に採択(代表・理工学研究科・小林真也教授)されました
https://www.ehime-u.ac.jp/post-124750/

■J-GLOBAL

・宇和海海況情報サービス「You see U-Sea」
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202002262210894805

■朝日新聞デジタル

・養殖盛んな宇和海の水産業、情報工学で課題解決へ 2020年10月19日
https://www.asahi.com/articles/ASNBL7GB7NB5PTLC01D.html

関連する図表・動画

● デジタル田園都市国家構想実現会議事務局
4.【宇和海水温情報運営協議会・愛媛県】漁業者の夢を叶えた宇和海海況情報サービス『You see U-Sea』
https://www.youtube.com/watch?v=xwOTXtWSYFo

● 宇和海海況情報サービス You see U-Sea
https://akashio.jp/

本事例についてのご要望

本ページ掲載事例の、項目の追加・修正・削除等のご要望は地方公共団体DX事例データベースに対するご要望フォームよりお寄せください。

PAGE TOP