展開地域名: 福島県会津若松市
解決すべき課題
■会津若松市は、人口減少の大きな要因となっている若年層の転出超過を抑制し、地元で「暮らし続けることのできるまち」「暮らし続けたいまち」を実現するため、地域産業基盤強化のための地域産業DX と Well-Being を向上する市民生活DX の取組として、「スマートシティ会津若松」の推進に取り組んでいる。そのビジョンとして、「食・農業」「観光」「決済」「ヘルスケア」「防災」「行政」等の各分野にわたるデータ連携と付加価値の創出に繋がるデジタルサービスを実装する。
(会津若松市「参考資料 デジタル田園都市国家構想推進交付金 TYPE3 実施計画書申請内容 複数分野データ連携の促進による 共助型スマートシティ推進事業 2022/5/13」、総務省「「スマートシティ会津若松」においてAIが果たす役割」参照。)
● 日本のスマートシティの実現に向けた課題:
① 分野や組織ごとに個別特化したシステムとなっていること。
② 分野や組織ごとにデータが独立しており、分野間を横断した新サービスの構築が困難。
③ 従来の個別特化したシステムでは、機能拡張という観点から継続的かつ容易にサービスを進化できない。
こうした課題をクリアするために「都市OS」が必要。
(会津若松市「「スマートシティ会津若松」の取組とビジョン」参照。)
解決の手法
■会津若松市は、2015 年 12 月に会津若松市の地方創生の取り組みの一環として、アクセンチュア提供の都市OS「会津若松+」を活用した市民向け情報ポータル「会津若松+(プラス)」を開設。会津若松スマートシティ推進協議会が運営。
(会津若松市「地域情報ポータルサイト「会津若松+(プラス)」をご利用ください」、アクセンチュア株式会社「アクセンチュア・イノベーションセンター福島」参照。)
●「会津若松+」:
・各利用者の属性や嗜好に合わせてパーソナライズ(個人ごとに最適化)した情報をポータル上で表示。市民一人ひとりに必要な情報を提供市からの情報だけでなくイベント情報や町の情報など、これまで見つけにくかった地域の情報が、利用者が知りたいことに応じて届くようになる。
・地域情報の⼊⼝として、個⼈の属性(年齢・性別・家族構成、趣味嗜好等)に応じて、各自のユーザーにとって必要な情報をピックアップして“おすすめ”表⽰。
ー⾏政だけではなく、地域の企業などからの情報やサービスもあわせて提供。
ー⾒やすい表⽰の仕組みを作ることで、より多くの方へ情報を伝達。
ーユーザの登録情報や⾏動履歴に応じた⾏政等のICTを活⽤したサービス提供や、コンテンツ配信のアルゴリズムを随時アップデートし、最適化。
・さまざまなスマートシティサービスを、ポータル上にガジェット形式で表示。これらを一つの地域 ID とパスワードの登録で利用可能にし、利用者の利便性を最大化
・日本郵便の電子私書箱サービスである『My Post』と連携。公的な文書をインターネット上でやりとりする際の、オンライン上の郵便受けとして機能。
・API 接続によって拡充が容易であることから、随時新規のサービスを追加。
(会津若松市「地域情報ポータルサイト「会津若松+(プラス)」をご利用ください」、経済産業省「資料3「Smart Cityによる自立分散社会の実現へ」市民・地域主導によるデジタルイノベーション 2020」、内閣府「SIPサイバー/アーキテクチャ構築及び実証研究の成果公表」参照。)
● 会津若松+のサービス例:
・外国人観光客誘致サイト: 観光客の国籍を基に提示する観光コンテンツを出し分け
・母子健康情報配信: 市の母子健康情報DBと既存母子健康アプリの連携
・AIチャットボット: SNS を通じて AI が行政サービスに関する問い合わせに 24 時間対応
・除雪車位置情報サービス: 個人の住所に合わせてパーソナライズして、除雪状況を表示
・教育情報配信: 子どもの通う学校の情報にパーソナライズして、学校情報を配信
・スマートTV: テレビを通じて会津若松プラスを利用可能とする
(内閣府「SIPサイバー/アーキテクチャ構築及び実証研究の成果公表」より。)
解決における工夫点
・上記サービスは一度に開発・実装したものではなく、段階を踏んで都市OS 上に追加。
・都市OS の活用により、バラバラに個別サービスを開発・維持するよりも費用を抑えられている。
・実際に利用者に利用されるサービスを実現するため、各種アプリやサイトなどが完成したことのみで満足しないことを重視。開発に加えて、周知・広報することや、利用状況を常に確認し、適宜サービスの改良をし続けるアジャイル型のサービス開発を行ってる。
(内閣府「SIPサイバー/アーキテクチャ構築及び実証研究の成果公表」より。)
事例による成果
● IDを登録していない利用者を含め、令和元年度の 1 年間で約 14 万人が閲覧(年々利⽤者が増加)
利用者数 閲覧数 ID登録者数
H27年度 約 9,700 約 109,000 約 2,200
12月~
H28年度 約 24,000 約 115,000 約 2,900
H29年度 約 60,000 約 537,000 約 6,500
H30年度 約 89,000 約 997,000 約 8,000
R元年度 約 140,000 約 1,237,000 約 9,800
(総務省「「スマートシティ会津若松」においてAIが果たす役割」より。)
● 2023 年 3 月現在、計 22 のサービスが、会津若松市の都市OS に接続
(一般社団法人AiCTコンソーシアム「スマートシティ会津若松、分野を超えた22サービスが都市OSと連携 このうち、デジタル田園都市国家構想推進交付金Type3採択事業で6分野16サービスが都市OSに連携」、日経BP総合研究所「計22サービスが都市OSに接続、会津若松市のスマートシティの現在 食・農業、観光、防災、ヘルスケア、行政、決済の6分野で展開」参照。)
● 2023 年 4 月に API 利活用を推進するための「API開発者ポータル」、「API事業者ビジネスポータル」を正式リリース
・API開発者ポータル:https://developers-aizuwakamatsu.api-catalog.jp/#/
・API事業者ビジネスポータル:https://aizuwakamatsu.api-catalog.jp/
(会津若松+「API事業者ビジネスポータル/API開発者ポータル 正式リリース」参照。)
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2015 年 12 月~継続運用中
参考資料
本事例は、「総務省 「スマートシティ会津若松」においてAIが果たす役割」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■総務省
・「スマートシティ会津若松」においてAIが果たす役割 令和3年1月20日
https://www.soumu.go.jp/main_content/000762568.pdf
・資料3-4 Smart City Aizu-Area
https://www.soumu.go.jp/main_content/000452041.pdf
●会津若松+
https://aizuwakamatsu.mylocal.jp/
・スマートシティ
https://aizuwakamatsu.mylocal.jp/3rdCategory?categoryId=90201010
・API事業者ビジネスポータル/API開発者ポータル 正式リリース 2023/04/26
https://aizuwakamatsu.mylocal.jp/article?articleId=6448ed3e51fe084d1f683bfc
ーAPI開発者ポータル:API利活用を推進するサイト
https://developers-aizuwakamatsu.api-catalog.jp/#/
ーAPI事業者ビジネスポータル:APIサービスを推進するサイト
https://aizuwakamatsu.api-catalog.jp/
・2017/12/21「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」がはじまりました!
https://aizuwakamatsu.mylocal.jp/article?articleId=61afbd063d59ae34ac5b6be4
■会津若松市
・あいづわかまつ市政だより別冊
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2013101500018/files/smartcity_aizuwakamatsu_pamphlet.pdf
・「スマートシティ会津若松」の取組とビジョン
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2013101500018/files/smart_city.pdf
・会津若松+(プラス)「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」がはじまっています
2018年1月31日
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2017122100042/
・地域情報ポータルサイト「会津若松+(プラス)」をご利用ください 2016年11月11日→2023年8月31日
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2015121000042/
・参考資料 デジタル田園都市国家構想推進交付金 TYPE3 実施計画書申請内容 複数分野データ連携の促進による 共助型スマートシティ推進事業 2022/5/13
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2022072700013/files/sankou.pdf
■一般社団法人AiCTコンソーシアム
https://www.aict.or.jp/
・スマートシティ会津若松、分野を超えた22サービスが都市OSと連携 このうち、デジタル田園都市国家構想推進交付金Type3採択事業で6分野16サービスが都市OSに連携 2023年3月17日
https://www.aict.or.jp/blog/22-os
■note AiCT協議会(仮)
https://note.com/aict/
・AiCTとは?
https://note.com/aict/n/n936b07c55d3d
■SmartCityAiCT
https://aizu-aiyumu.co.jp/
・SmartCityAiCTについて
https://aizu-aiyumu.co.jp/about/
■内閣府
・SIPサイバー/アーキテクチャ構築及び実証研究の成果公表
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/a-guidebook4_200331.pdf
・リファレンスアーキテクチャの使い方導入ガイドブック
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/a-guidebook1_200331.pdf
・利用者へのデリバリーを意識した都市OSの開発及び実証研究 2020年3月18日
https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain・「スマートシティ会津若松」においてAIが果たす役割「スマートシティ会津若松」においてAIが果たす役割
■経済産業省
・地域の持続可能な発展に向けた政策の在り方研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/sme_chiiki/jizoku_kano/
・資料3「Smart Cityによる自立分散社会の実現へ」市民・地域主導によるデジタルイノベーション 2020
https://www.meti.go.jp/shingikai/sme_chiiki/jizoku_kano/pdf/004_03_00.pdf
■アクセンチュア株式会社
・会社概要
https://www.accenture.com/jp-ja/about/company/japan
・アクセンチュア・イノベーションセンター福島
https://www.accenture.com/jp-ja/about/accenture-innovation-center-fukushima
■日経BP総合研究所
・計22サービスが都市OSに接続、会津若松市のスマートシティの現在 食・農業、観光、防災、ヘルスケア、行政、決済の6分野で展開 2023.03.23
https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/report/032200362/?P=1
■株式会社サイシード
・自治体のAIチャットボット導入事例を5つ紹介。その効果や活用方法について解説します
https://saichat.jp/chatbot/government/
■PR TIMES
・会津若松市における都市OSとの機能連携に関するヘルスケア領域の実証研究をNEDOから受託 株式会社ARISE analytics 2019年11月26日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000033151.html
関連する図表・動画
●会津若松+公式サイト
https://aizuwakamatsu.mylocal.jp/home
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