展開地域名: 兵庫県朝来市
解決すべき課題
■朝来市は兵庫県の⼭間部に位置しており、4 名の職員で水道事業を運営している。当市のような山間・豪雪地域といった地理的条件の厳しい地域の⽔道を少数の職員で維持管理するには、効率的な事業運営が不可⽋。
●人口減少による水需要の低迷、老朽施設の更新、多発する漏水への対応など厳しい経営状況にある。
(厚生労働省「IoT活用推進モデル事業(朝来市上下水道課)」参照。)
解決の手法
■限られた財源で効率的な経営を行うことを目的として、管路情報と⼟壌、地形情報等の環境ビッグデータを収集・解析し、AI による管路劣化診断を実施することにより、ターゲットを絞った最適な管路更新等に活⽤。
● ❶ 朝来市の水道施設の約 7 割を占める管路について、AI による劣化診断を実施、❷ 不足している管路情報(設置年、材質等)を AI で補完。
・朝来市が管理する管路データ(配管データ・漏水履歴等)に対して、Fracta 社 が構築した環境ビックデータと AI を用い、張り巡らされた配管の破損確率を詳細に算出。管路更新事業・水道管の漏水防止・維持管理を効率的に推進するため、網羅的・総合的に劣化診断を実施。また、劣化診断に際して行う配管データの精査(誤植や欠損値の補完等)において、Fracta技術を駆使、配管データの精度を向上、不足データを補完し管理台帳整備を行う。
(PR TIMES「FractaのAIによる水道管路劣化診断業務が兵庫県朝来市様に本格導入厚生労働省「IoT活用推進モデル事業」に採択されました」参照。)
● 本システム導⼊に係る業務量 :職員の作業時間約 50 時間程度
● 令和 2 年度に、厚⽣労働省所管の⽣活基盤施設耐震化等補助⾦の⽔道事業における「IoT活⽤推進モデル事業」に採択された。
(厚生労働省「CPS/IoTの活用 水道事業におけるIoT・新技術活用推進モデル事業」参照。)
事例による成果
■AI を活⽤し「管路劣化診断」、「管路台帳の不⾜項⽬補完」を⾏うことで、市全域の⽔道事業を 4 名の職員により効率的に運営している。
● 更新計画への活⽤はもちろんのこと、当市全庁共通地理情報システムへ管路情報と劣化度を登録し、他事業との⼯事調整が電話等で可能になった。
● 他事業の担当者が地理情報システムを確認することで⽔道事業との調整の可否を判断できるようになった。
● 配⽔⽀管での漏⽔的中率 50 %(令和 3 年度実績)
※更新優先順位上位 10 % の漏⽔的中率
【今後の展望】
規模や条件の違う様々な事業体の管路情報をAIに学習できれば劣化診断の精度が向上するため、その際に再度劣化診断を⾏うことも検討していきたい。
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
令和 2(2020)年度~継続運用中
参考資料
本事例は、「総務省 ⾃治体DX推進参考事例集【3. 内部DX】令和5年4⽉28⽇」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■総務省
・⾃治体DX推進参考事例集【3. 内部DX】令和5年4⽉28⽇
https://www.soumu.go.jp/main_content/000879053.pdf
・「自治体DX推進参考事例集」の策定 令和5年4月28日
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei07_02000152.html
・19 AIによる水道管路劣化診断で管路の更新作業等を最適化 【兵庫県朝来市】
https://www.soumu.go.jp/main_content/000878699.pdf
■厚生労働省
・IoT活用推進モデル事業(朝来市上下水道課)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000763842.pdf
・CPS/IoTの活用 水道事業におけるIoT・新技術活用推進モデル事業
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/seibi/index_00002.html
■朝来市
・令和3年度前期定期監査等結果報告書の提出について 朝 監 第 3 0 号 令和3年 12 月 23 日
https://www.city.asago.hyogo.jp/uploaded/attachment/5220.pdf
・上下水道部
https://www.city.asago.hyogo.jp/soshiki/12.html
・上下水道課
https://www.city.asago.hyogo.jp/soshiki/29/
■Fracta Japan株式会社
・会社概要
https://www.fracta-jp.com/about-us
・FRACTA のAIによる水道管路劣化診断業務が、兵庫県朝来市様に本格導入 厚生労働「IOT活用推進モデル事業」に採択されました
https://www.fracta-jp.com/archives/action/fracta%E3%81%AE%EF%BD%81%EF%BD%89%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E6%B0%B4%E9%81%93%E7%AE%A1%E8%B7%AF%E5%8A%A3%E5%8C%96%E8%A8%BA%E6%96%AD%E6%A5%AD%E5%8B%99%E3%81%8C%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E6%9C%9D
■日本鋳鉄管株式会社
・会社情報
https://www.nichu.co.jp/company/outline/
・INTERVIEW 兵庫県朝来市への西日本初のフラクタ本導入を推進したキーマン、兵庫県芳中氏に聞く、道のりと原動力とは
https://www.nichu.co.jp/others/interview01/
■PR TIMES
・FractaのAIによる水道管路劣化診断業務が兵庫県朝来市様に本格導入厚生労働省「IoT活用推進モデル事業」に採択されました Fracta(米国AIベンチャー) 2021年2月8日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000052114.html
■DiGiTALiST
・Fractaと朝来市上下水道課、AIなどを用いた水道管路劣化診断業務委託契約を締結 公開日: 2021.02.11
https://digitalist-web.jp/trends/overseas/FFODf
事例に関する問い合わせ先
朝来市 上下⽔道部 上下⽔道課
Tel: 079-676-2083(代)(上下水道係)
お問い合わせフォーム:https://www.city.asago.hyogo.jp/form/detail.php?sec_sec1=29&check
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