茨城県東海村「とうかい“まるっと”スマホ大作戦」

展開地域名: 茨城県東海村

分野:
地域活性化
デジタルデバイド解消
キーワード:
人材育成

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解決すべき課題

■2020 年3月、東海村は「未来を担う人づくり」「魅力あるまちづくり」「安心して暮らしつづけることができるまちづくり」を柱とした東海村第 6 次総合計画を策定した。そして、総合計画の実現に向けた基本的な姿勢の1つに、時代の変化に対応した「新しい役場への転換」を掲げ、職員の意識変革や組織変革に取り組み、行政力の底上げを図ることとした。

「新しい役場への転換」を「新しい役場への変革(トランスフォーメーション)」と捉え直し、DX を通してその具現化に取り組むべく、2020 年 11 月、「とうかい“まるごと”デジタル化構想(通称『まるデジ構想』)」を策定した。

● しかし、「まるデジ構想」により「スマートサービスの推進」が図られたとしても、サービスを利用する高齢者をはじめとした住民の方々がデジタル化に対応できず、サービスを利用できなければ意味がない。

● 2021 年に行った高齢者向けの調査においては、前期高齢者の 66 %、後期高齢者の 43 %がスマートフォン を所有しているものの、前期高齢者の 33 %、後期高齢者の 45 %がスマホを活用していないことが明らかになった。

● 本結果から、「デジタル対応社会の実現」を図るためには、特に高齢者のデジタルデバイド対策に取り組む必要があり、スマホを所有する高齢者の増加とそのスキルの向上を図ることが喫緊の課題であることが分かった。

(東海村「『とうかい“まるごと”デジタル化構想』~新しい役場への転換~(2021.4~2025.3)Ver.2.0」参照。)

解決の手法

■2021 年 10 月から 2022 年 2 月まで、スマホを持っていない高齢者を対象とした「シニア世代スマホデビュー応援事業」に取り組んだ。この事業は、3Gフィーチャーフォン(通称「ガラケー」)を使用している高齢者がスマホを購入した際、その購入費用を最大 2 万円まで助成する事業。

● しかし、単にスマホの購入費用の一部を助成するだけではスキル向上までは期待できない。そこで、助成を受けるためには、スマホの購入店舗でスマホ講座を受講し、講座の最終日、自らのスマホから「いばらき電子申請・届出サービス」にアクセスし、オンラインで助成金の交付申請を行う必要があるという「仕掛け」を設け、オンライン申請を体験してもらうこととした。

● すでにスマホを所有している高齢者に対しては、総務省の「デジタル活用支援推進事業」を活用し、民間事業者の協力を得て、地域の集会所などにおけるスマホ講座を開催、スキル向上に取り組んだ。

■スマホの操作に関する“ちょっとした”相談に応じるため、東海村社会福祉協議会と連携し、「ぷらっとスマホ広場」と題したスマホ相談会も開催した。

● ただし、これらは永続的に提供していくわけではなく徐々に地域の担い手がスマホの学びを提供できるような仕組みを作るため、スマホの操作を教えることができるスマホサポーターを育成し、村が主催するスマホ教室等にボランティアとして協力頂く取り組みを開始した。そして、いずれは地域の主体的な取組みとして、スマホサポーターなど地域の「ひと」(人財)が、地域の住民にスマホの操作方法を教える「場所」を提供でき、スマホの学びの循環を通して、地域の支え合い・助け合いのコミュニティが生まれるような地域づくりを目指した。

(東海村「『とうかい“まるごと”デジタル化構想』~新しい役場への転換~(2021.4~2025.3)Ver.2.0」参照。)

解決における工夫点

・スマホ講座の実施に当たっては、助成金のオンライン申請については職員が作成した申請手続きの説明資料を店舗に提供するなど、店舗との事前打合せを幾度も重ねた。

・また、高齢者を対象とした「スマホ体験会」を合計 21 回開催し、ガラケーからスマホへの機種変換を促しながら、事業の利用者の掘り起こしにも取り組んだ。

事例による成果

● 令和 3 年 10 月末に実施したスマホ体験会では,6 回で合計 66 名の参加があった。10 月末時点で補助申請受付は 40 件、電子申請率 100 % となった。
(東海村「令和3年第4回東海村議会定例会行政報告等要旨」参照。)

●「ぷらっとスマホ広場」と題したスマホ相談会では、毎回、スタッフで対応しきれないほど多くの住民が相談に訪れ、改めて高齢者に対するスマホ活用支援の必要性を実感した。

● スマホ教室やスマホ相談窓口に来た住民からは「普段スマホについて相談できる人がいなかったので助かる」、「この取組をずっと続けていってほしい」といった感想があった。

● スマホ教室で講師役を務めるスマホサポーターのボランティアのなかには高校生もおり、「自分が自分のスマホを使用している感覚から教える立場での難しさを経験したが、普段機会のない高齢者とのコミュニケーションもありすごくよかった」、「普段自分が使っている機種と違うのもあり、難しく感じたこともあったが、次回自分が使う時に参考になると思った」、といったような感想があった。
(東海村「「東海村YouTube LAB.」動画ギャラリー 最新の動画【東海村LAB.第45回 スマホサポーター大募集!】」参照。)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2021 年 10月~継続運用中

参考資料

本事例は、「全国町村会 茨城県東海村/東海村が仕掛けるデジタルデバイド対策―「とうかい“まるっと”スマホ大作戦」の展開―」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■全国町村会

・茨城県東海村/東海村が仕掛けるデジタルデバイド対策―「とうかい“まるっと”スマホ大作戦」の展開― 掲載日:2023年3月20日
https://www.zck.or.jp/site/forum/25185.html

■東海村

・『とうかい“まるごと”デジタル化構想』~新しい役場への転換~(2021.4~2025.3) Ver.2.0 令和5年3月東海村総合戦略部地域戦略課
https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/material/files/group/36/marudigi2.pdf

・スマートフォン(スマホ)活用支援策一覧 更新日:2023年10月23日
https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/sougousenryaku/tiikisernyakuka/39/3_1/dejitarukousou/smartphone/8282.html

・とうかい“まるっと“スマホ大作戦 〜誰もがスマホを使いこなす社会を実現せよ︕〜
更新日:2023年08月23日
https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/sougousenryaku/tiikisernyakuka/39/3_1/dejitarukousou/smartphone/7453.html

・スマホデビューをお考えのシニア世代の皆さんへ
https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/material/files/group/6/20210910-04.pdf

・令和3年第4回東海村議会定例会行政報告等要旨 令和3年12月1日
https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/material/files/group/1/20211202gyouseihoukoku.pdf

・令和3年度 東海村社会福祉協議会事業報告
https://t-shakyo.or.jp/01syakyo/houkoku/r3_03jigyohoukokusyo.pdf

・「東海村YouTube LAB.」動画ギャラリー 最新の動画【東海村LAB.第45回 スマホサポーター大募集!】 更新日:2022年04月08日
https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/kurashi_tetsuzuki/YouYube/YouTube/5562.html

・広報とうかい SEPTEMBER 2021.9.10 No.919
https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/material/files/group/6/20210910-01-20.pdf

関連する図表・動画

● 東海村公式チャンネル
・【東海村LAB.第45回】スマホサポーター大募集!(東海村YouTube LAB.)
https://www.youtube.com/watch?v=7grh0AbMJhQ

事例に関する問い合わせ先

総合戦略部 地域戦略課デジタル戦略担当
Tel: 029-282-1711
お問い合わせフォーム: https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/cgi-bin/inquiry.php/142?page_no=6158

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