大分県「病児保育支援システム「あずかるこちゃん」」

展開地域名: 大分県

分野:
住民窓口サービス
福祉
子育て
キーワード:
自動化
業務効率化
ワークフロー
IoT
スマホアプリ活用
WEBアプリ活用

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解決すべき課題

■子どもが急病でも仕事や用事は休めない、近くにお世話をお願いできる人もいない…。
そんな時、頼りになるのが「病児保育」。「病児保育」とは、仕事が休めないなどの理由で病児を看護できない保護者に代わって一時的にその子どもを預かるサービスのこと。大分県内では、病児保育事業で、地域別に施設側・利用者側双方で以下のような課題があった:

● 施設側:

・電話等による照会や予約対応による事務負担が大きい(時間外対応増)

・子どもは症状が変化しやすく、急なキャンセルも多い(キャンセル 率 30 %以上)⇒職員配置が過大になり経営を圧迫するケースも

・新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用者が減少(R2. 1 ~ 7 月までの利用者が、対前年 54.9 %)

● 利用者側:

・主に居住市町村だけでしか利用できず、他市町村(職場周辺等)の利用が困難

・域外利用のルールが不明確:登録用紙が自治体ごとに異なっていたり、病児保育は国、県、市から3分の1ずつ、利用人数に応じて補助金が出されるが、居住地域以外の病児・病後児保育室を利用する場合には補助対象とならないため利用料が高く設定されている。

 ー所在市町村以外の住民の利用があった場合、当該利用者数に応じた運営費を補助しない市町村あり(域外利用者数を補助対象にカウントしない)

 ⇒ 施設側が独自に高い利用料を設定〔大分市例〕域内 2,000 円、域外 4,850 円 域外で倍以上の利用料を支払ってまで利用しようと思わない

・複数施設へ電話で空き状況を問い合わせ、予約を申し込むなど負担が大きく利用を躊躇することもある

(大分県「令和3年度第1回おおいた子ども・子育て応援県民会議 行政説明資料 」、「大分県の病児保育事業」、今日新聞「働きながら安心して子育て」参照。)

解決の手法

■大分県は、県内の病児保育事業の広域化・ICT化を対応策として、2021 年 10 月 1 日(金)から、病児保育の申請方法の統一化、ネットサービスを利用した予約ネットサービスの運用を開始した。

● 登録用紙が統一化され、県民の居住地域に関係なく、同じ料金で病児・病後児保育施設の利用を可能とした。 また、利用実績に応じて各市町村が相互に運営費を負担する取り組みを行った。

● 大分県内の病児保育の利用促進や広域化・ICT化に向けた取り組みを行うことを目的として同年 4 月に連携協定を締結した Connected Industries ㈱ 提供の病児保育予約システム、「あずかるこちゃん」を導入。同システムを活用した病児保育ネット予約サービス「あずかるこちゃん」から、施設の空き状況確認や予約ができるようにした。
 
(大分県「大分県の病児保育事業」、「「あずかるこちゃん」リーフレット」「病児保育の推進に関する連携協定をConnected Industries(コネクテッドインダストリーズ)株式会社と締結しました!」、PR TIMES「大分県とConnected Industries(株)が連携協定を締結病児保育の推進に向け、広域化・ICT化・情報発信等も実施」」参照。)

<病児保育支援システム「あずかるこちゃん」の特徴>

保護者と病児保育室をつなぐ、病児保育の検索・予約サービス。保護者は 24 時間いつでも簡単に LINE や Web から病児保育を検索、予約が可能。施設のスタッフも、煩雑な事務作業から解放され、保育に集中できるというメリットがある。地域にあるすべての病児保育の情報を一元管理できるようになる。

(PR TIMES「大分県とConnected Industries(株)が連携協定を締結病児保育の推進に向け、広域化・ICT化・情報発信等も実施」より。)

<あずかるこちゃんの利用の流れ>

・あずかるこちゃんから「空き状況の確認」と「予約」の両方が可能な施設の場合

 1.事前にあずかるこちゃんから施設の利用登録をする
 2.子どもが体調不良に
 3.あずかるこちゃんから空き状況を確認する
 4.あずかるこちゃんから予約する
 5.医療機関を受診
 6.病児・病後児保育室に入室

・あずかるこちゃんから「空き状況の確認」が可能な施設の場合ー

 1.事前に自治体指定の登録用紙を提出する(提出先は自治体によって異なる)
 2.子どもが体調不良に
 3.あずかるこちゃんから空き状況を確認
 4.施設に電話して予約する
 5.医療機関を受診
 6.病児・病後児保育室に入室

(大分県「大分県の病児保育事業」より。)

● 病児保育の ICT化費用ー 8,063 千円

 ① 大分県版システムの基盤構築 1,903 千円

 ② 施設のシステム導入補助 2,200 千円〔補助上限〕
  システム導入経費 440 千円〔補助率〕国1/2、市町村1/4、
  事業者1/4⇒事業者負担分1/4を県が補助〔補助額〕
  440 千円× 1/4 × 20 施設= 2,200 千円※導入後のランニングコスト330 千円/年は施設負担

 ③ 制度周知のための広報費(チラシ等)3,960 千円

(大分県「令和3年度第1回おおいた子ども・子育て応援県民会議 行政説明資料 」より。)

事例による成果

● これまで電話で問い合わせが必要だった空き状況がスマホからいつでも簡単に確認できるようになった。

● 一部施設では、空き状況の確認からそのまま予約も可能となった。

(大分県「大分県の病児保育事業」参照。)

● 利用者から以下のような好評があった:

「フルタイムの仕事をしており、実家が遠方で頼れる人もいなかったので、緊急時に預かってもらえたことが何より助かりました。仕事に行って翌日以降のスケジュールが調整できるのは大きなメリットです。」

「病気の知識に加え、病児対応のプロフェッショナルが子どもをしっかりみて寄り添ってくれたので、安心して預けられました。1日の利用料も高くないのが嬉しいです。」

(大分県「あずかるこちゃん」リーフレット」より。)

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2021 年 10 月~継続運用中

参考資料

本事例は、「大分県 大分県DX事例集」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■大分県 

・大分県DX事例集(令和 4 年度版) 2023年5月 大分県
https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2190896.pdf

・令和3年度第1回おおいた子ども・子育て応援県民会議 行政説明資料
https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2118500.pdf

・LINEで子育ての悩みを相談できます! ページ番号:0002167550  更新日:2022年1月17日
https://www.pref.oita.jp/soshiki/12470/kosodate-line.html

・大分県の病児保育事業 ページ番号:0002155094 更新日:2021年10月1日更新
https://www.pref.oita.jp/site/byoujitokusetsu/

 ー「あずかるこちゃん」リーフレット
https://www.pref.oita.jp/uploaded/life/2235748_4077160_misc.pdf

・県政だより 新時代おおいた No.138 2021 September & October
https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/2123618.pdf

・特集1 子育て満足度日本一の実現に向けて ページ番号:0002149098 更新日:2021年9月15日更新
https://www.pref.oita.jp/site/sinzidai/toku1138.html

・病児保育の推進に関する連携協定をConnected Industries(コネクテッドインダストリーズ)株式会社と締結しました! ページ番号:0020210428 更新日:2021年4月28日更新
https://www.pref.oita.jp/soshiki/12470/byouji-hoiku.html

■@Press

・大分県とConnected Industries株式会社が連携協定を締結  病児保育の推進に向け、広域化・ICT化・情報発信等も実施 2021.04.28 15:00
https://www.atpress.ne.jp/news/257275

■今日新聞

・働きながら安心して子育て 投稿日: 2021年10月9日
https://kon-nichi.com/2021/10/09/hoikunettoyoyakusa-bisu/

■大分移住手帖

・子どもが病気でも仕事を休めない家庭の強い味方。大分県の病児保育の先駆けとしてさくらいろ保育園の挑戦
https://oita-ijyutecho.com/about-living/4282/

■PR TIMES

・産後の女性と産後ケアをつなぐサービスをつくりたい!あずかるこちゃんが、クラウドファンディングに挑戦 株式会社グッドバトン 2023年10月2日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000033823.html

・大分県とConnected Industries(株)が連携協定を締結病児保育の推進に向け、広域化・ICT化・情報発信等も実施 株式会社グッドバトン 2021年4月28日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000033823.html

■THE SOCIAL ISSUES

・病児保育の課題解決に取り組む『あずかるこちゃん』園田氏インタビュー「強いチームが社会を変える」 2019年8月20日
https://the-social-issues.com/ciinc/

事例に関する問い合わせ先

福祉保健部

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