愛知県豊田市「都市基盤DX~水道使用量等のAIによる空き家予測~」

展開地域名: 愛知県豊田市

分野:
防災
自治体組織内改革
インフラ整備
キーワード:
業務効率化
AI
水道
空き家

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解決すべき課題

■令和 5 年の住宅・土地統計調査 では、全国の空き家は 900 万戸と過去最多となっている。寒波の襲来で 1 件の空き家の水道管が凍結破損し、地域全体が断水状態になったこともあった。次々と空き家の実態を迅速且つ的確に将来に渡って把握することは極めて困難な状況であった。
(総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」参照。)

解決の手法

■ 豊田市は、空き家・空き家近辺での水道管の破損、断水対策、空き家の把握、急増する空き家の実態把握及び所有者への喚起施策の⽴案等の課題を解決するために、AIを用いたシステムによる課題解決を検討。

これらの解決を目的に、将来人口動態予測AI『MiraiE.ai(ミラーエドットエーアイ)』の導入を検討。令和 4 年(2020 年)に豊田市は国土交通省の令和 4 年度「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」の実証実験に協力することとなり、同年MiraiE.AIを導入。住民基本台帳、⽔道使⽤量、ガス、電気使⽤量等のビッグデータを AI解析し、2050 年までの空き家を予測する取組を行った。

(豊田市「報道発表資料 豊田市が行うAIによる空き家予測の取組が「第4回Digi田甲子園」でベスト4を受賞しました」、「都市基盤DX」、国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」、「別添資料3 完了実績報告書 」、LIFULL HOME'S PRESS「AIで空き家の流通予測をシミュレーション? 豊田市が空き家対策として取り組む実証実験の結果を聞いた」参照。)

<MiraiE.AI(ミラーエドットエーアイ)について>

● 空き家調査や空き家流通促進などの官公庁が抱える空き家対策業務を、庁内データおよびAIを活用することで効率的・効果的に推進するAIシステム。

・効果的・効率的な空き家把握:

 庁内データを活用し、予測することで現地調査必要な地域を絞り込み、安価な空き家対策を実現。

・インフラ老朽化対策:

 将来的に人が住まない住宅や地域がわかることで、老朽化したインフラの更新計画や公共工事の優先順付が可能。

・水道凍結対策:

 冬季の水道凍結事故防止に向けて、過去の水道使用量から空き家を予測。急激な冷え込みが予想される場合に、事前に空き家と推察された住宅で水道栓を閉栓することで、水道凍結事故を防止。

・重点エリア・将来年度の策定検討:

 予測結果・マップに基づき、重点的に相談会・セミナー等の空き家活用に向けた施策実施エリア・年度の策定の検討が可能。

(PR TIMES「マイクロベース、AIを活用した都市課題解決サービス『MiraiE.ai(ミラーエ)』をリリース」、マイクロベース株式会社「『MiraiE.ai』とは」参照。)

解決における工夫点

・空き家問題の実態把握にたいして、全国の自治体が保有し、定期的に収集している「水の使用量」をベースに取り組みを行った。

・実務での活用を想定し、空家を予測する単位を町丁目単位ではなく「住居」単位とした。

事例による成果

● 一番身近な水道料使用料等を活用して 2050 年までの空家を予測できた。

・5 年後の空き家予測精度は水道使用量だけでは 82 %であったが、ガス、電気使用量等その他の情報を精査収集後、AI解析することで 92 %まで向上させた。

● 空き家問題を自分事として捉えてもらうための効果的なセミナー(空き家対策、相続対策、定期修繕対策など)の開催が可能となった。

・予測結果を基に空き家が増加する地域を対象にセミナーを開催したところ、参加者が従来の6倍(5 名→ 32 名)になった。

● 予測結果を共有した上下水道局では、水道管凍結破損時の緊急漏水調査に活用、断水被害の拡大を防止できた。

・2023 年 2 月の寒波では、水道管凍結破損を起因とする排水場(給水戸数:100 戸)の水位低下が発生したため、空き家予測を基に漏水調査を実施、1時間半後には漏水を発見、止水したことで断水被害の拡大が防止できた。

● 本取り組みは「第4回Digi田甲子園」は地方公共団体部門において「ベスト4」を受賞。(2025 年 3 月)

【展望】

予測結果を全庁的に展開し、都市計画・インフラ更新計画等の各種計画の立案・改定時の基礎資料等に活用していく。

(豊田市「「第4回Digi田甲子園」で豊田市定住促進課の取組がベスト4を受賞」、「報道発表資料 豊田市が行うAIによる空き家予測の取組が「第4回Digi田甲子園」でベスト4を受賞しました」、「都市基盤DX」参照。)

事例が与えた影響

空き家予測に関する協定を締結したガス会社が、空き家予測をガス管更新計画へ活用した。

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

令和 4 年(2022 年)~継続運用中

参考資料

本事例は、「第4回Digi田甲子園 都市基盤DX ~水道使用量等のAIによる空き家予測~ 」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN

●第4回Digi田甲子園

・都市基盤DX ~水道使用量等のAIによる空き家予測~
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/honsen/2024/0023.html

 ー詳細資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/kekka/2024/pdf/023.pdf

・結果発表
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/kekka/2024/index.html

■政府広報オンライン

・(Digi田(デジでん)甲子園2023)地方公共団体部門 2_愛知県豊田市上下水道局
https://www.gov-online.go.jp/useful/202312/video-276471.html

■総務省

● 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果 令和6年4月30日
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf

■国土交通省

・住宅市場を活用した空き家対策モデル事業
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000103.html

・【R4】空き家調査・所有者への喚起施策を支援する空き家予測マップの作成(マイクロベース株式会社)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-model/realestate/akiya_innovation/list/r04/pdf/r4_2_24_houkoku.pdf

・別添資料3 完了実績報告書
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001604068.pdf

■豊田市

・「第4回Digi田甲子園」で豊田市定住促進課の取組がベスト4を受賞 ページ番号1062697  更新日 2025年3月12日
https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/sumai/teiju/1062697.html

ー都市基盤DX
https://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/062/697/02.pdf

・報道発表資料 豊田市が行うAIによる空き家予測の取組が「第4回Digi田甲子園」でベスト4を受賞しました ページ番号1064595  報道発表日 2025年3月12日
https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1064276/1064595.html

・人工衛星とAIによる水道管の健康診断
https://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/059/610/1.pdf

・報道発表資料 本市の「水道DX」の取組を岸田内閣総理大臣が視察します ページ番号1059610  報道発表日 2024年7月5日
https://www.city.toyota.aichi.jp/pressrelease/1059504/1059610.html

・「令和7年度 市政に関する予算要望」に対する回答(公明党豊田市議団)
https://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/065/403/01.pdf

・豊田市過疎地域持続的発展計画 (令和3年度~令和8年度)  令和3年9月
https://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/622/r0309/01_01.pdf

・豊田市過疎地域自立促進計画 (平成28年度~平成32年度)
https://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/622/r0309/01_01.pdf

・補助・支援制度 ページ番号1028017  更新日 2025年4月22日
https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/sumai/teiju/ijyubank/1028028/1028017.html

・水道メーターの盗難にご注意ください ページ番号1059149  更新日 2024年7月8日
https://www.city.toyota.aichi.jp/kurashi/jyogesuidou/1062823/1059149.html

・建築相談課
https://www.city.toyota.aichi.jp/shisei/soshiki/toshiseibi/1004526.html

■マイクロベース株式会社

・『MiraiE.ai』とは
https://www.miraie.ai/

■LIFULL HOME'S PRESS

・AIで空き家の流通予測をシミュレーション? 豊田市が空き家対策として取り組む実証実験の結果を聞いた
https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_01755/

■glocal

・都市基盤DX水道使用量等のAIによる空き家予測事例ー愛知県豊田市 3月24日
https://www.glocal-biz.jp/post/____j-36

■PR TIMES

・マイクロベース、AIを活用した都市課題解決サービス『MiraiE.ai(ミラーエ)』をリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000122452.html


■中京テレビNEWS

・【岸田首相が視察】 全国の水道にデジタル技術を導入方針 愛知・豊田市の上下水道局などを視察
https://www.youtube.com/watch?v=YdzzWQrbioE

関連する図表・動画

● 第4回Digi田甲子園
・都市基盤DX ~水道使用量等のAIによる空き家予測~
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/honsen/2024/0023.html

事例に関する問い合わせ先

都市整備部 建築相談課
Tel: 0565-34-6649
E-mail: keikan@city.toyota.aichi.jp

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