山形県山形市「孤独・孤立をAI×専門スタッフで救うチャット相談~「つながりよりそいチャット」」

展開地域名: 山形県山形市

分野:
福祉
健康
自治体組織内改革
キーワード:
自動化
業務効率化
ワークフロー
コミュニケーションツール
AI
IoT
スマホアプリ活用

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解決すべき課題

■少子高齢化や核家族化の進行、地域や家庭内でのつながりの希薄化などにより、孤独感や孤立感を抱える人々が増えている社会的課題の解決。

● 国の「孤独・孤立対策重点計画」で掲げる、切れ目のない 24 時間対応の多元的な相談支援の確立のためには、専門職の相談員の人員確保が不可欠だが、山形市では十分な人員を確保するのは困難。

● 悩みを抱える人の中には、窓口や電話での相談に抵抗がある方もいるため、より気軽に相談できる環境が必要。

(山形市「令和6年7月12日 市長記者会見」、PR TIMES「【山形県山形市】孤独・孤立の悩みを24時間いつでもLINEで相談 傾聴型生成AIと専門職によるハイブリッド型「つながりよりそいチャット」の運用を開始」参照。)

解決の手法

■こうした課題から、山形市では、子育て世帯の孤独感や悩み事の解消に既に成果をあげている「おやこよりそいチャット」を参考に、令和 5 年 2 月にLINE公式アカウント「つながりよりそいチャット」を活用した「デジタルソーシャルワーク」の実証を行った(実証期間:令和 5 年 2 月 16 日~ 5 年 2 月 27 日)。

● 本実証では、専門的な資格のあるスタッフがLINE上で相談を受け付け、オンラインでよりそいながら必要な情報提供・支援につなげる。

・対象者は山形市在住・在勤・在学し、孤独・孤立に悩みを抱えている方。相談者は匿名で相談できる。

・周知方法:市公式ホームページ、市公式LINE、チラシポスティング、WEB広告、インフルエンサー等の活用により周知。

<実証結果(令和 5 年 2 月 16 日から令和 5 年 2 月 27 日)>

・友だち登録件数: 176 件
・LINEやり取り人数(件数): 80 名(1,672 件)

<相談内容の傾向>

・漠然とした生きづらさを抱えている方からの相談が多いため、他の社会資源につなぐ必要はあまりなく、一番のニーズは「話を聞いてほしい」というものであった。

・このチャットのやり取りを通じて、相談者が前向きに変化していく事例がいくつも見受けられ、「つながりよりそいチャット」が孤独・孤立への新たな予防的アプローチとして効果的であることが確認できた。

● 本実証事業の結果を受けて、山形市では令和 5 年 12 月に特定非営利活動法人フローレンス、㈱PKSHA Technology、㈱Sapeetと、AI・SNSを活用した「孤独・孤立によりそう相談支援に関する協定」を締結、傾聴型生成AI の開発を進めた。そして、新たに開発されたこの傾聴型生成AIと、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門職によるハイブリッド型 24 時間LINE相談「つながりよりそいチャット」を令和 6 年 7 月より本格運用(ハイブリッド型は全国初)。

(山形市「令和6年7月12日 市長記者会見」、「つながりよりそいチャット(試行的事業)について」、山形市公式チャンネル「山形市長定例記者会見(令和6年7月12日)」、認定NPO法人フローレンス「地方版「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」推進事業にて山形市と連携し、市民のすべての方を対象とするLINE相談「つながりよりそいチャットを開設」、「【山形市より受託】傾聴型生成AIと専門スタッフによる相談支援 「つながりよりそいチャット」スタート!」、PR TIMES「【山形県山形市】孤独・孤立の悩みを24時間いつでもLINEで相談 傾聴型生成AIと専門職によるハイブリッド型「つながりよりそいチャット」の運用を開始」参照。)

<つながりよりそいチャット>

◎ 傾聴相談の対応が可能な生成AIと、専門資格と実務経験のある専門スタッフ(社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師、保健師、看護師などの資格を持ち、相談支援の実務経験がある相談員)によるハイブリッド型 24 時間 LINE相談

・対象者: 年齢問わず、山形市に在住・在勤・在学し、孤独・孤立の悩みを抱えている方

・対応時間: 傾聴型生成AI は 24 時間対応 専門スタッフは 9 時 ~ 18 時(土日祝日、年末年始を除く)

・利用方法: LINE公式アカウント「つながりよりそいチャット」を友だち登録する。利用規約などを同意すると、アンケートの回答に進みAIに話しかけられるようになっている。画面下方にメニューバーを配置し、専門スタッフに話しかける選択ができるよう「よりそいスタッフに話しかける」というボタンもある。内容によってはAIから専門スタッフへの相談も促す。相談は無料で、匿名で相談可能。

(山形市「つながりよりそいチャットのご案内」、「【山形市より受託】傾聴型生成AIと専門スタッフによる相談支援 「つながりよりそいチャット」スタート!」参照。)

●経費:

・イニシャルコスト:10,600 千円(税抜)
 [内訳] 人件費 1,583 千円、開発費 9,000 千円、通信運搬費 17 千円

・運用コスト:8,891 千円(税抜)/ 年
 [内訳] 人件費 1,845 千円、業務委託費 3,380 千円、通信運搬費 3,666 千円

・イニシャルコスト、運用コストに「重層的支援体制整備事業(厚生労働省)」を活用

(総務省「26 生成AIと専門スタッフによるハイブリッド型24時間LINE相談「つながりよりそいチャット」 【山形県山形市】」参照。)

解決における工夫点

● 地方版孤独・孤立対策推進事業プラットフォームにおいて、NPO団体等の関係機関にテスト環境で使ってもらい修正を重ね、プラットフォーム構成団体と一体となり、より有人対応に近いシステムを作り上げた。

・傾聴型生成AIの開発において、相談者に返す言葉を親身に寄りそう印象がもたれるように調整した。

(総務省「26 生成AIと専門スタッフによるハイブリッド型24時間LINE相談「つながりよりそいチャット」 【山形県山形市】」参照。)

事例による成果

■孤独・孤立に関する悩みを抱えた相談者が、チャットのやり取りを通じて前向きに変化していく事例がいくつも見受けられるなど、孤独・孤立への新たな予防的アプローチとして一定の成果を上げている。

● 新たに 24 時間対応ができたことで、これまで孤独や孤立を感じても、誰にも相談できなかった方への対応が可能になった。

● 開始から約 8 か月で約 7,500 件の相談に生成AI が対応しており、それを人件費に単純換算すると約 2,000 万円/年相当にあたると考えられる。

● 傾聴型生成AI が相談者の気持ちによりそいながらトークを繰り返すことによって、文字に起こされた自身の気持ちを振り返り、整理することができたといった相談者の声もあった。

(山形市「令和8年1月6日 市長記者会見」、総務省「「26 生成AIと専門スタッフによるハイブリッド型24時間LINE相談「つながりよりそいチャット」 【山形県山形市】」参照。)


<相談実績(令和 6 年 7 月 12 日 ~ 9 月末累計)>

・LINE登録 590 人
・相談者 346 人
・チャット回数 3,718 回
・生成AI対応 85.5 %
・スタッフ対応 14.5 %
・支援団体へのつなぎ 10 件

● 本事例は第4回Digi田甲子園インターネット投票で地方公共団体部門ベスト 8 を取得(令和 7 年 3 月)

事例が与えた影響

本事業の傾聴型生成AI と人の連携モデルは、地域にあわせて一部をカスタマイズすることで容易に横展開が可能であり、高齢化や孤立問題が深刻な地域に加え、都心部でも若者や子育て世代の孤立感を抱える方々に対して有効に活用できる。

事例の継続性

継続運用中

事例の運用期間

2024 年(令和 6 年)7月~継続運用中

参考資料

本事例は、「第4回Digi田甲子園 インターネット投票対象事例 孤独・孤立をデジタルで救うAI✕専門スタッフチャット相談」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。

■デジタル田園都市国家構想 DIGIDEN

● 第4回Digi田甲子園 インターネット投票対象事例

・孤独・孤立をデジタルで救うAI✕専門スタッフチャット相談
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/honsen/2024/0019.html

・結果発表
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/koshien/kekka/2024/index.html#s3

■内閣府

・令和4年度地方版孤独・孤立対策
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/localplatform/r04_houkokusho/

 ー山形県山形市概要
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/localplatform/r04_houkokusho/pdf/15_gaiyou.pdf

 ー山形県山形市報告書
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/localplatform/r04_houkokusho/

■山形市

・つながりよりそいチャット ページ番号1014200  更新日 令和6年7月12日
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/koho/1008065/1007027/1013401/1014113/1014200.html

・つながりよりそいチャットのご案内 ページ番号1013830 更新日 令和6年7月12日
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kenkofukushi/fukushi/1013830.html

・つながりよりそいチャット(試行的事業)について ページ番号1010907  更新日 令和6年6月17日
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kenkofukushi/fukushi/1010907.html

・つながりよりそいチャット(LINEを活用した相談支援[試行的事業])の実施結果について
 ページ番号1011943
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kenkofukushi/fukushi/1011943.html

・令和6年7月12日 市長記者会見 ページ番号1014207  更新日 令和6年7月16日
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/shicho/1006793/1013667/1014207.html

・令和8年1月6日 市長記者会見 ページ番号1017686  更新日 令和8年1月7日
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/shicho/1006793/1016167/1017686.html

● 山形市公式チャンネル

・山形市長定例記者会見(令和6年7月12日)
https://www.youtube.com/watch?v=AE7PKV4py04&t=61s

■特定非営利活動法人フローレンス(認定NPO法人フローレンス)

・【山形市より受託】傾聴型生成AIと専門スタッフによる相談支援 「つながりよりそいチャット」スタート! 2024年2024年07月12日
https://florence.or.jp/news/70939/

・地方版「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」推進事業にて山形市と連携し、市民のすべての方を対象とするLINE相談「つながりよりそいチャット」を開設 2023年02月16日
https://florence.or.jp/news/59108/

■総務省

・26 生成AIと専門スタッフによるハイブリッド型24時間LINE相談「つながりよりそいチャット」 【山形県山形市】
https://www.soumu.go.jp/denshijiti/digital_transformation_portal/case/pdf/r07_dx3_26.pdf

■PR TIMES

・【山形県山形市】孤独・孤立の悩みを24時間いつでもLINEで相談 傾聴型生成AIと専門職によるハイブリッド型「つながりよりそいチャット」の運用を開始 2024年7月12日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000146250.html

・フローレンス・山形市・PKSHA Technology・SapeetがAI・SNSを活用した孤独・孤立によりそう相談支援に関する協定を締結 2023年12月14日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000324.000028029.html

・地方版「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」推進事業にて山形市と連携 市民のすべての方を対象とするLINE相談「つながりよりそいチャット」を開設 2023年2月16日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000268.000028029.html

事例に関する問い合わせ先

山形市役所福祉推進部生活福祉課
Tel: 023-641-1212(内線595)
E-mail: fukushi@city.yamagata-yamagata.lg.jp

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