展開地域名: 大分県臼杵市
解決すべき課題
■救急救命士の処置範囲が拡大されたことに伴い、迅速かつ適切な初期対応が課題であった。
■本市の糖尿病有病率が高いことから早期に専門医につなげ、その後の介入を行っていくことで透析等の重症化を防ぐことが必要であったが、市内に糖尿病の専門医が1人しかおらず、効率的、効果的な介入方法が課題であった。
解決の手法
「うすき石仏ねっと(以下「石仏ねっと」という)」とは、「うすき石仏ねっと運営協議会」がケーブルネットワークを活用し整備した行政イントラネットで各施設と閉域で接続し、病院、診療所、歯科診療所、訪問看護ステーション、調剤薬局、介護施設、居宅介護支援事業所、消防署などの参加施設の間で対象者の病気、薬、検査結果などの情報を共有するシステムである。
また、子育て支援アプリともつながっているため、保護者は当該アプリを介し石仏ねっとが保有する予防接種情報と乳幼児健診結果も確認できる仕様となっている。
石仏ねっと加入者に交付する石仏カードは、FeliCa方式を採用しており、参加施設の読み取り機にかざすと、瞬時に本人の検査結果、服薬履歴などが時系列で表示される仕組みとなっている。
石仏カードには保有者個別のIDが、参加施設(読み取り側)には施設個別のIDが割り振られており、それらが関連付けられることで、情報の確認や更新・蓄積が可能となっている。
事例による成果
<参加機関の協力>令和4年4月1日時点で市内の医療や介護関係の施設参加率は約97%となり、加入促進に係る参加機関の協力により、市民の約半数以上が加入している(発行枚数:23,897枚)。施設の参加率、市民の加入率の高さは他に類をみないまでに持続的に発展している。
<汎用性の高さ>専門医、かかりつけ医、救急現場だけでなく、歯科医師、調剤薬局、保健指導、介護現場などにおいても活用され、地域包括ケアシステムのツールとして活用している。
<働き方改革>薬剤師においては、検査結果などが患者とのコミュニケーションのきっかけとなり、患者からはよく診てもらっていると評価されている。 令和3年度に整備したWeb会議システムによってサービス担当者会議の移動に係る負担の軽減や、専門職による介助方法の指導が遠隔地からも可能となった。
<安心・安全なシステム>石仏カードには保有者ID以外の情報は登録されていないため、万一紛失してもそれだけで医療情報が漏えいすることはない。
<利用者の利便性>本人の検査結果、服薬履歴などが時系列で表示される仕組みであるため、正確な情報を医師等が確認でき、適切な処置・処方へつながっている。
事例の継続性
継続運用中
事例の運用期間
2015年4月~継続運用中
参考資料
本事例は、「2022年度 夏のDigi田甲子園 大分県の取り組み」を中心として、以下の資料を参照して編集しています。
※ 以下の資料の参照先は、調査時点でのものです。参照先の構成によっては、リンク切れとなっている場合があります。あらかじめご承知おきください。
■2022年度 夏のDigi田甲子園 大分県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/oita.html
■うすき石仏ネット
http://usukisekibutsu.projectz12.sky.linkclub.com/
■広報うすき 2018年12月号
https://www.city.usuki.oita.jp/docs/2018102200011/file_contents/2018-12-tanpage.pdf
■うすき石仏ねっと~安心・安全なまちづくり~
https://www.jichitai.works/article/details/568
■大分県臼杵市はなぜ地域包括ケアを実現できるのか
カギとなるのは、連携を担う「新たな地域自治システム」の誕生
https://www.kokugakuin.ac.jp/article/10468
■子育てアプリとも連携! 「うすき石仏ねっと」はマイナンバーカードの未来形
https://www.minnanokaigo.com/news/visionary/no75/
■臼杵市地域医療・介護情報連携システム「うすき石仏ねっと」にて『母子モ』提供開始
~エムティーアイの母子手帳アプリとして初!地域医療ネットワークと連携を実現~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000381.000002943.html
■情報共有 質の高い医療・介護へ 「石仏ねっと」準グランプリ 協働まちづくり表彰 臼杵市
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/242199/
関連する図表・動画
■2022年度 夏のDigi田甲子園 大分県の取り組み
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/archives/koushien/chiiki/oita.html
事例に関する問い合わせ先
保健健康課
0972-63-1111
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